「神社」からなにが分かる?
日本で古くから信仰されて来た「八百万の神様」と、それを祭る「神社」はいつ頃からあるのでしょうか?
この問いは正直なところ、まったく判りません。それというのも、日本に文字の記録が作られるようになるよりも前から日本では神社があり、神様が祀られていたからです。
では、神道(しんとう)と呼ばれるこの宗教のようなそうでないような、世界的に見ると不思議な文化はどのように生まれたのでしょうか。どうやら古代の権力者、自然や自然現象の驚異を感じる空間などを特別に扱うことから始まったようです。
このことは隠岐の神社を巡ることで事実に近いのではないかと思わせられます。 巨木や巨岩が祀られている神社がある一方で、はるか古代の隠岐にいた権力者が神として祀られているらしい、隠岐でしか祀られていない神様の名前がいくつもあったりするからです。また、それだけでなく、神様同士の関係まで、伝説という形で島の中で語り継がれています。
隠岐の中で、昔の人が何をどのように大切にして暮らして来たかを知る事ができる隠岐の神社と神様への信仰、そして古式ゆかしい神事は、少なくとも 1000年以上の間、この島々の中で行われてきた人の営みであり、これから先の100年、1000年を考える上で、とても貴重なことを教えてくれるような気がします。