2025.06.01

【報告】2025/5/21「タンポポ調査西日本 2025」(in 海士町)

隠岐ユネスコ世界ジオパークでは、「教育や保全、ツーリズムを通じて、持続可能な地域発展にむけて住民が一丸となって取り組み、地球全体の持続可能な発展への貢献を実現する」をミッションに掲げて、活動をしています。
このうち教育事業の一貫として、島の子どもたちへむけた事業として、各発達段階に合わせた遊びや学びを取り入れながら、隠岐の「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」についての理解増進をめざし、「ジオパークを活用した教育体制」の策定、学校現場等において活用可能な教育コンテンツ制作・展開、講師派遣制度の充実を図っています。
当機構の事務所が、従来は隠岐の島町のみに設置されていた背景もあり、これまでは隠岐4島のうち特に「隠岐の島町」(島後地域)における事業展開が多くありましたが、一方で、「海士町」「西ノ島町」「知夫村」などの島前地域における事業展開や学校連携を、今後さらに推し進めたいと考え、取り組むことにしました。
まずは「隠岐ユネスコ世界ジオパーク 泊まれる拠点Entô」に海士町拠点を設置しているご縁から、海士町における連携強化を本年度より取り組んでいます。


小中学生の放課後の時間・場が、より「自発的な問い・まなびが引き出される時間・場」になるために、当機構ができることは何か?というテーマを掲げ、活動した第1弾!
海士町のけいしょう保育園敷地内にある、学童「あまっこ」にて、小学校低学年の児童とともに「西日本タンポポ調査2025」を実施しました。

■開催日時:2025年5月21日(水)15:30~16:30
■開催場所:海士町けいしょう保育園周辺


「西日本タンポポ調査2025」とは?―
西日本実行委員会による市民参加型のタンポポ調査として、2025年3月1日〜5月31日に開催されました。本調査は5年ごとに実施され、各地で集められたデータは専門家により分析・集計され、その結果は「タンポポ調査・西日本実行委員会」のホームページや報告書で公開されています。

隠岐地域には固有種「オキタンポポ」が生育しており、今回の調査への参画は地域にとっても大きな意義があります。この調査を通じて、隠岐の自然や固有種への理解を深め、自然保護への意識を高めることを目的としました。住民(特に子ども)が調査参加することで、身近な生き物や自然環境の現状に目を向け、「今どんな状態か」「これからどう守るべきか」を考えるきっかけをつくることができます。地域の教育機関とも連携し、学びの場を設けることで、自然との関わりを深め、保全への意識を育くむ機会とされており、当機構でもこれまでも積極的に参画してきました。

参加した子どもたちは、敷地内にタンポポが少なかったなか、タンポポを探し回って見つけ、じっくり観察していました。また、敷地内に咲いていたブタナというたんぽぽに大変似た花を見て「これはタンポポじゃない!」という気付きに自分たちで至っていました。じっくり観察しなければ気付くことのない、身近な自然の多様性に関心をもつ機会となりました。子どもたちと行ったタンポポ調査が、今後「自発的な問い・学びが引き出される時間・場づくり」につながるよう、引き続き活動していきたいと思います。