焼火山

島前最高峰452mの焼火山は、陥没した島前カルデラのなかで再噴火して形成された中央火口丘で、焼火山を中心に内海、外輪山の三重構造を成しているのが特徴です。この中央火口丘は粗面岩質の溶結~非溶結火砕岩で形成されており、焼火山の大部分を構成する火砕岩は火口の内側に堆積したものと考えられています。また、焼火山の麓には、島前火山の基盤を成す約2,000〜1,000万年前の堆積岩や日本では珍しいアルカリ岩の深成岩「石英閃長岩」などが分布し、島前の地史を解明するうえで重要な場所です。
焼火山の山頂近くに建立された焼火神社は、火砕岩の岩体に開いた岩屋に本殿が建てられており、北前船が盛んとなった江戸時代には航海安全の神様として広く認知されていました。