トカゲ岩

崖を垂直に登るトカゲのような見た目をした奇岩で、およそ26mの高さがあります。トカゲ岩を構成する岩石は、約550万年前の火砕岩に割り込んで(貫入して)固結した粗面岩マグマです。この部分は周りの火砕岩よりも硬く風化されにくかったため、トカゲのような形として取り残されたと考えられています。
トカゲ岩はその外見だけでなく岩石の組成までもが珍しく、隠岐に分布する粗面岩のなかでもナトリウムやカリウムなどのアルカリ元素の割合が特に高いことが判明しています。このことで重要なのは、アルカリ元素に富む岩石は日本列島ではあまり見られない、大陸の岩石の特徴だということで、隠岐の地質の特異性を解明する手がかりになり得ます。