Geohistory 4. 半島から孤島へ

40万年前〜現在:新生代 − 第四紀

隠岐諸島の火山活動は約40万年前に終わりを告げます。
大規模な火山活動によって地表に姿を現した隠岐ですが、当初は火山の堆積物に覆われた、荒れ果てた大地でした。
この大地が日本海の荒波と風雨による浸食で、ダイナミックな岸壁や奇岩などの“天然の彫刻作品”が生み出され、現在の隠岐が形づくられました。

ここに注目!01

海面の変化による隠岐の半島化

半島化−離島化のくり返しは、気候の変動にともなう海面の低下と上昇によるものです。

海面の変化による隠岐の半島化

氷河期になると、本来なら海に入るはずの水が氷河として地上にとどまり、さらに海水温の低下によって海水の体積が減少するために、寒くなると海水の量が減って海面が下がるのです。
その海水準の変動は最近の500万年では現在に近づくほど活発になっており、その中でも最大の変動が一番最近の海水準変動(最終氷期)にあたります。この時には約1万年の間に100mも海面の高さが変化しました。
現在の水深が70〜80mしかない隠岐と本州の間の海峡(隠岐海峡)はこれまでに何度も陸地になっているのです。
陸続きになったときには、いろいろな動植物が隠岐と本州の間を行き来したことでしょう。

ここに注目!02

火山活動がもたらした隠岐の大地

国賀海岸

隠岐を代表する景勝地、西ノ島の北西に続く国賀海岸。大陸からの北西季節風と、それによって引き起こされる強い北西の波を受ける海岸は、波の力で大地が削られていく様子を見ることができる場所であり、また、島を作る大地の内部が崖の面として見えている場所でもあります。

赤壁

島前の南に位置する知夫里島の西岸に続く断崖絶壁の一部に鮮やかな赤い岩からなる崖があります。文字通りの赤壁と言われるこの崖の色は、この場所に火口があったことと、その噴火の性質が関係しています。さまざまな色と模様の刻まれた赤壁は隠岐の中でも特に美しい海岸のひとつとして、知夫里島のシンボルのひとつとなっています。

トカゲ岩

島後の山中にあるトカゲ岩。崖をのぼるトカゲのように見えることからトカゲ岩と呼ばれています。見た目は崖を垂直に登るトカゲのようなカタチをしており、尻尾の部分は崖とつながっています。頭から尻尾の先までで26mの長さがあり、トカゲと崖の間には岩が挟まっています。