カルデラ

島前3島(中ノ島、西ノ島、知夫里島)は約630〜530万年前に活動したかつての大きな火山で、「島前カルデラ」とよばれる火山性の陥没地形を有します。まず、火山活動によって島が誕生・成長し、その最中に陥没が起きてくぼ地(カルデラ)を形成しました。その後、カルデラ内で小規模な火山(中央火口丘)が新たに形成され、現在では海水面の上昇によって海水が侵入し内海が広がっています。
このカルデラ地形は、外周の島々が堤防、中央の焼火山が灯台の役割を果たしており、外海側は日本海の荒々しい波風を受けていても、内海側は比較的穏やかな環境が保たれています。そのため、かつては北前船の寄港地として、現在では内海側に集中する集落の配置や岩ガキの養殖など、島前で営まれてきた暮らしはカルデラ地形とともにあります。