油井の前の洲

油井の前の洲は、波寄せ際から沖へ約170m続く遠浅の岩場です。一年の大半は海面下に隠れているものの、冬季の干潮時には約2,000万年前の礫岩からなる広大な波食棚が出現します。島後の西側に面したこの海岸は、侵食の影響を特に強く受けており、現在よりも海面が高かった数千年前から削られ続けていると考えられています。
隠岐にある数々の波食棚のなかでも油井は最大級の広さを誇り、良質な岩海苔の産地としても地域の人々から重宝されています。季節や時刻によってその表情を変える前の洲はフォトスポットとしても注目され、特に夕暮れ時には海面が鏡のように輝く景色を見られることもあります。